男性の美容を真面目に考える 14
〜肌の表面摩擦力に関する男女差 Part 2〜

肌の表面摩擦力(摩擦係数)は角質層の水分補給と正の相関がありますが、皮膚の油性とは負の相関があると言われています。

■角質の水分量に関して

1)男女の加齢性変化(3部位)

女性の場合、角質の水分量は0-40歳にかけて徐々に増加し、その後、減少しています(図5a)。これらの変化は、目の周りで最も顕著でした。

男性の場合、20歳までは、目の周りの水分量は増加します。その他は、特徴のある変化は認めませんでした(図5b)。

※Y.H.Zhu, et al. Skin Pharmacol Physiol. 2011 Jan; 24(2): 81–86から引用

これらから、角質の水分量は年齢、部位、性別により異なると言えます。



2)肌の表面摩擦力と角質水分量の関係と男女差

肌の表面摩擦力(摩擦係数)は角質層の水分量と正の相関があると言われています。

女性の場合は、特に、目の周りと手背(手の甲)でその関係が顕著でした。一方、男性の場合、前額部(おでこ)と手背(手の甲)で正の相関を認めました。

これらの結果から、肌の表面摩擦力と角質水分量の関係は、性別や部位により異なると言えます。



■まとめ(Part 1-2)

  • 肌の表面摩擦力(摩擦係数)は角質層の水分補給と正の相関がありますが、皮膚の油性とは負の相関がある。
  • 男性の場合、前額部(おでこ)と目の周りの表面摩擦力は加齢に伴う大きな変化は認めないが、手背は40歳までに上昇し、その後は横ばいである。
  • 男性の場合、51-60歳で手背の表面摩擦力が前額部(おでこ)や目の周りに比べて高かったことを除けば、他に有意差のある結果は得られていない。
  • 前額部(おでこ)に関して、男女差は認めなかったが、目の周りに関しては、31-40歳と51-60歳において、有意に女性の方が高い。手背に関しては、0-10歳では男性の方が高く、21-30歳では女性の方が高い。
  • 肌の表面摩擦力と角質水分量の関係に関して、女性の場合は、目の周りと手背(手の甲)で正の相関が強く、男性の場合は前額部(おでこ)と手背(手の甲)で正の相関が強かった。

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