- 保険適応となる条件がある。
- 保険診療で良性の小さな皮膚腫瘍を切除する場合は、10,000円前後である。
- 場合によっては、自費診療(CO2レーザー等)の方が遥かに綺麗に切除できる事がある。
一般の方や“ホクロ”や“イボ”と言っても、医学的には様々な種類があります。その中で、悪性の疑いがあるもの、感染を繰り返すもの等は保険適応となります。その場合、お値段はどのぐらいになるのでしょうか。
例えば、保険適応のある“良性の顔面の皮膚腫瘍”を切除する場合、ベースとなる保険点数は“皮膚腫瘍摘出術(露出部)”が適応となり、それに加えて初診料、再診料、術前検査料(血液検査など)、術中使用薬剤(軟膏や局所麻酔薬など)、病理検査料などが加えられます。下記が保険点数であり、この点数を10倍したものが10割負担の場合の金額となります。
<皮膚腫瘍摘出術(露出部)>
1. 直径2cm未満:1,660点(16,600円)
2. 直径2cm以上、4cm未満:3,670点(36,700円)
3. 直剣4cm以上:4,360点(43,600円)
すなわち、1.5cm程度の顔面の腫瘍を日帰りで摘出し、病理検査を行った場合、医療費は下記のような計算式により計算されます。
<計算式>
手術料(16,600円)+再診料(670円)+術前検査(3000〜8500円)+薬剤料(100〜500円)+病理診断料(4500円)+病理組織標本作成(8600円)=約35,770円
このうち、患者が病院の窓口で支払う金額は、かかった医療費の3割なので、約11,000円となります。残りの7割は、皆さんと事業主が納める健康保険料から支払われています。ただし、7割が保険料から支払われていると言っても、それはもともと患者さんが収めてきた保険料です。
一方で、ホクロを切除する際に、CO2レーザーなどの自由診療を行う場合もあります。それは、部位や形、大きさによっては、手術よりもはるかに綺麗に切除できることがあるからです。また、手術の場合は、縫合をする際の歪み(dog ear)を考慮して、実際の腫瘍よりも傷跡が長くなってしまいますが、CO2レーザーでは腫瘍を最小範囲で切除することが可能です。デメリットは手術に比べ病理検査が不正確で、かつ自由診療となる点です。ですので、患者が、皮膚がんを心配している、きちんとした診断名を知りたい、再発のリスクを抑えたい、などの場合は手術が必要となります。多くの場合、CO2レーザーによる切除の際は、各クリニックで腫瘍のサイズ1mm毎に価格設定がなされています。